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屋根点検はどうするのが安全?高所カメラ・屋根に上る・ドローンを専門店が比較解説
屋根の点検方法は、ここ数年で大きく変化しています。
以前は、はしごを掛けて屋根に登り、職人が直接目視と触診で状態を確認するのが当たり前でした。
しかし現在は、高所カメラやドローンを使った点検が普及し、安全性・客観性・信頼性が高まっています。
屋根は高所かつ勾配があるため、点検時の事故リスクは非常に高く、労働安全衛生法でも高所作業に対して墜落防止措置が義務付けられています。
つまり、安全措置を確保できない状態で屋根に上る行為は、重大事故につながるだけでなく、法令面でも適切とは言えません。
この記事では、
高所カメラ・屋根に登る点検・ドローン点検の3つを比較しながら、
それぞれの特徴、リスク、安全性の違いを専門店の立場から解説します。
高所カメラ(ポールカメラ)点検
伸縮ポールの先端にカメラを付け、地上から屋根の状態を撮影する方法です。
【メリット】
・地上から安全に点検できる
・ドローンが飛ばしづらい場所でも対応可能
・導入コストが抑えられる
・撮影した映像をお客様と共有しやすい
【デメリット】
・撮影角度に限界があり、死角がどうしても生じる
・強風時はブレやすい
・細かな劣化部分は確認が難しい場合がある
高所カメラは、安全に最低限の情報を得る用途として有効です。
職人が屋根に上る点検(従来方式)
従来の屋根点検方法で、職人が屋根上に直接上がって状態を確認します。
【メリット】
・触診が可能なため、細かな浮き・割れを把握しやすい
・棟板金、雪止め金具などの細部まで点検できる
・簡易的な応急処置ができる場合がある
【デメリット(強化版)】
・高所での作業のため、落下すれば重大事故につながる危険性が非常に高い
・劣化したスレートや瓦は踏み抜きやすく、点検行為そのものが屋根を破損させるリスクがある
・お客様は屋根上を確認できないため、説明の信頼性が作業者次第になる
・足場や親綱、安全帯を設置せずに屋根に上る行為は、労働安全衛生法の観点から適切とは言えず、状況によっては法令違反となる可能性がある
・初回点検は足場がないため、最も危険性が高く、安全措置を取れない状態での屋根上作業となる
■ 業界で実際に起きているトラブルにも注意
屋根に上る点検には、もう一つ大きな問題があります。
悪質な業者が点検中にわざと屋根材を割ったり外したりし、その破損を根拠に工事を迫る事例が実際に報告されています。
スレートの踏み割りや棟板金の意図的な浮かせ行為は外から見えないため、
“点検の際に見つかった破損”と言われてしまうと、お客様は判断できません。
こうした背景から、専門業界では
「初回点検で屋根に上らない」
「映像で確認できる点検方法を選ぶ」
という考え方が主流になっています。
ドローン点検
近年急速に普及している方法で、カメラ付きドローンで屋根を空撮します。
【メリット】
・人が屋根に上がらないため転落事故のリスクがほぼゼロ
・屋根全体を俯瞰でき、死角が少ない
・ズーム撮影で細部まで確認可能
・映像をお客様と共有でき、納得性が高い
・屋根材を踏んで破損させる心配がない
【デメリット】
・風や狭い住宅街など、飛行条件には注意が必要
・操縦者の技量・法律知識が必要
・触診はできないため、必要に応じて別の方法と併用
安全性・精度・効率のバランスが非常に良く、二階建て以上の住宅に最適な点検方法です。
| 項目 | 高所カメラ | 屋根に上る点検 | ドローン点検 |
|---|---|---|---|
| 安全性 | 高い | 最も低い(安全措置必須) | 非常に高い |
| 法令面 | 問題なし | 無対策は安衛法上問題になる | 問題なし |
| 屋根材への負担 | なし | 踏み割りリスクあり | なし |
| 点検精度 | 限界あり | 最も精密(触診可) | 俯瞰・ズームで高精度 |
| 説明のしやすさ | 映像共有可 | 写真のみ | 映像・写真で非常に良い |
屋根点検は、「どうやって点検するか」で安全性・精度・信頼性が大きく変わります。
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高所カメラは、安全に最低限の確認ができる
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屋根に上る点検は、触診できる反面、事故の危険性が高く、初回点検では安全措置が取れないため最もリスクが大きい
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悪質な業者による故意の破損トラブルも報告されている
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ドローン点検は、安全性・客観性・お客様への説明のしやすさが高く、現在の住宅点検ではもっとも合理的な方法
錻力屋では、これらの背景から 初回点検をドローンで行うことを基本方針 としています。
必要に応じて高所カメラや屋根上での最終確認も実施しますが、無理な屋根上作業は行わず、
職人の安全とお客様の建物を守ることを最優先にしています。
屋根の状態が気になる方や、ドローン点検の映像を見ながら説明してほしい方は、お気軽にご相談ください。
越谷市を中心に、春日部市・草加市・三郷市・吉川市・松伏町、東京・千葉の一部にも対応しています。


